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直截の時間(募集中)

気ままに書きます。勉学(課題の超過)によって停滞する可能性あり、タイトルは募集中だし良いのがあれば変える。

11/24yes@オリックス劇場

ライブ

いきなりだが自分の音楽遍歴をかいつまんで説明すると、KinKi or ヒット曲→堂本剛Queen→Yesの「海洋地形学の物語」という順番であり、洋楽を聞き出す、更に言うならば音楽中心の生活が始まる決定打となったマイルストーンとして、中一の冬のyesの存在があるだけに、去年のChris Squireの死を未だに引きずっており、今度の来日では海洋地形学をやるというアナウンスがあっても「Chrisがいないし…」とかなり尻込みしていた。

それを会場に後押ししたのは「yesの存続はChrisの遺志」という事実で、完全にChrisが自分の行動主体であった。実のところ、ライブを見てから家でクリスの映ってるライブを見ては一人涙している。

辛気くさい話はここまでで本題。

 

setlist

 Set 1:
Machine Messiah
White Car
Tempus Fugit
I've Seen All Good People
Perpetual Change
And You and I
Heart of the Sunrise


Set 2:
The Revealing Science of God (Dance of the Dawn)
Leaves of Green
Ritual (Nous Sommes du Soleil)

 

Encore:
Roundabout
Starship Trooper

 

全日程同じセットのようですね。

毎日日替わりでアルバムジャケットのクリアファイルを配るサービスでしたが僕の日に配られたのは海洋地形学。やったね。

後、会場内の撮影は相当厳しかった(スタッフが最近の洋楽はOKが多いが、今回はアーティスト側のNGが~みたいな注意を一々してたので、Howe辺りの申し出か)ので写真はなしです。まあ、演奏中に撮影とかする気もないので撮っても退場ぐらいだけどね…

 

時系列に感想を並べても冗長なのでかいつまんで述べる。

 まずリッケンバッカーが置かれ、onwardと共に在りし日のChrisの写真がスクリーンに流れ、追悼のパフォーマンスが始まる。昨年のツアーからずっとやっているので、いくら傷心状態でも「まだやってるのか…」と若干冷め気味で眺めていた。というのも、ローディーのベースの置き方がいかにも無造作で、「最初の頃はベースを置くのも結構堪えただろうけど、今はもう慣れて淡々とこなすようになったのだろうか」とか要らん妄想をしていたからで、勝手に落ち込んでいたのだ(苦笑)

結局泣きました。最後に名前の下に生没年がドーンと書かれた画像を見て、もう帰ってこない存在なんだと心が理解してしまった。そのうちひょこっと戻ってきてコーラスでもしそうな気がしていたんだけど、あのセイウチのような巨体はもう戻ってこないんだ。Howeが激太りしない限り(絶対ない)

 

そこからHoweが先頭にメンバー入場。バンマスじゃない頃からHoweは先頭でしたね。アナウンス通り「ドラマ」の一曲目「Machine Messiah」のへヴィーなイントロリフがフェードインしてくる。

本来ならフロントマン不在期の黒歴史アルバムとなってもおかしくないところだが、ニューウェーブやパンクの時流とうまいこと調和させてファンの間では「隠れない名盤」となっている「ドラマ」。詳しくないファンにとってはかつてない歪みでへヴィーに弾き倒すHoweにぶったまげたのではないか。

ここ最近の二回の来日は「老いぼれが本気出してるから見てくれよな」と、よろめいたアンサンブルであったのは否めないが、今回はドラムのAlan Whiteが手術でサポートメンバーと交替し、タイトなサウンドになっていたのも相まって、前よりも若々しく攻撃的な演奏からスタートし、今までになく高水準なライブが確信された。

 

結局「ドラマ」からやったのは三曲だけで、恐らくはプロモーターの事情(当初は欧米では完全再現であったのにこちらでは一曲もやらない見込みであった)が絡んでいるのだろうが、「Does It Really Happen?」はやってほしかった。単に好きという理由もあるが、主要メンバーが抜けた後にHoweとChrisがバンドを守るためにプロダクション面、演奏面で面目躍如、追悼として適任なアルバムであるだけに、ベースラインが光る曲は一通り聞きたかったからだ。どの曲かは特定していないが「これで二度とやらない」という旨の声明があるだけに、「ドラマ」からはもう一曲も演奏する気がないとしたなら残念極まりない。

 

第一部の残りは「Perpetual Change」が日本ではレア曲だったということ以外は特筆することもない定番曲パートだったので割愛する。

 

さてここで、Chrisの後任のBillyについて触れると、90年代のyesを聞いていたら想像できる通り、手堅い演奏で、コーラスにも貢献しており、Chrisがいなくなっても殆ど不自由なくバンドを成立させていた。恐らく彼以上の適任はいないだろうし、間違いなく今回のライブのMVPであった。

ただ、ちょこちょこ見受けられた「Chrisが憑依していた」という感想に対してはちょっと違うかなと思った。

Howeも「完全に再現するのでなく、自分の解釈でChrisの後を継いでいる」と褒めてるだけあって、プレイスタイルはもちろん別人のものであった。

Chrisはバンマスであり、バンドの舞台骨として確実に土台を作った上に、うねりやタメを活かしたフレーズで演奏に華を添えていた一方、Billyはより動的で、アグレッシブなフレージングが目立った。ついでに述べると、Chrisの動きかたは良い意味でねっとりしているのに対して、Billyは物理的に飛んだり跳ねたりしていた(笑)

自分のChrisが好きな所以は音と同程度にうねりやタメにあるので、やっぱり寂しいのは寂しいのだが、ここら辺は好みもあるので、好みがどうだとかそこまでの水準まで持っていくBillyには数えきれないほどの称賛を送っても何ら過剰ではないだろう。

 

20分の休憩を挟んで本命の第二部。

結論から言うと…微妙(笑)

悪意を持って言わせてもらうと、イントロがグダグダで、歌さえ始まれば安定するやろ!という怠惰が伺えた。

演奏頻度も少ない20分超の曲を2曲、70手前の爺と最近サポートに入った若者(と言っても年齢的に充分おっさんだが)とで完璧にやり遂げるのを求めることはさすがに酷すぎるし、ここら辺は目をつむろうぞ。

Howeのクラシックギターソロコーナーを兼ねて、曲後半ではJonとBillyの立ちボでのコーラスを挟み込んだLeaves of Greenでは、爺とその音楽をリスペストする一世代下の人間が一つの音楽を奏でているという光景を見て「Howe爺のことをずっと大事にしよう」と一人で謎の決意をしたのは無駄に記憶に残ってる(笑) 真面目な話、どんな形であれ、出来る限り演奏水準を落とさずバンドの看板を守っていくHoweのバンマスとしての決意は充分に届いたし、この光景を胸に、次の来日があったとしたら必ず行くと決めたのであった。

 

アンコール

Howeは…Fly From Hereの来日のアンコールと同じく駆け足で出てきた(笑) 元気なお人だ。

そこまで珍しいというわけではないがowner of a lonely heartが抜け落ち、roundaboutのアウトロからシームレスにstarship trooperに雪崩れ込んだのは、今までよりも自分達のやりたいことに忠実であるバンドの状態を感じたし、ここはHoweがバンマスだからこそ、という悲しい変化の中での光を見出だすことが出来た。Billyのアドリブ多めのプレイに感化されてか、近年は原曲通りにソロを弾いてきたHoweも心なしか前回や前々回の来日よりもフレーズを崩すようになっていて、決して中心人物の喪失は悲しみしか生まない訳ではないのだ、ということが分かった、人生に大事なものが刻み込まれたライブでした。

 

退場の際のお礼もHoweがカウントしていたり、今までよりもステージに長く留まっていたり、自分がバンドを守っていくのだという決意が強く感じられた。

カリスマ性は弱まったが、演奏はレベルが上がっており、決して以前のライブに劣るものではないということだけは、太鼓判を押せる一夜でした、と〆の文を書いたところで大事なものが欠落していることに気がついた。

 

アンコール前のRitualの儀式パートのドラムソロからAlanがドラム叩いておりましたよ。

やっぱりパワーはないものの、ダイナミクスを感じるプレイはyesの宇宙や無限な空間を思わせる曲調には欠かせないのは確かで、やっぱり体が持つ限りはまだ叩き続けてほしい。例えheart of the Sunrisesがヘロヘロだろうと(爆) いっそ、天国のChrisの眉間に皺を入れてくれ。それが個人的にはよい追悼だ。