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直截の時間(募集中)

気ままに書きます。勉学(課題の超過)によって停滞する可能性あり、タイトルは募集中だし良いのがあれば変える。

今年聞いた新譜評価&今年の総括

・五段階評価

・今になってDeftones「Gore」聞き出したけど対象外

David Bowieの「★」は対象外、分かってください。

 

 

一ツ星作品

★☆☆☆☆

 

 

Radiohead/A Moon Shaped Pool

 

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久方の新譜は、前回の人力ダブステップからバンドサウンドに回帰、を通り越してそのままアコースティック路線に突入してしまった。

抽象というには生の音がそれを許さず、かといってフックもなく、なんとも中途半端なコンセプトにたどり着いてしまったな、と思う。

世間では好評価だが、僕は20回、30回と繰り返し聞こうとも、印象の薄いメロディーがただ頭に残るだけで、今までレディオヘッドが僕に与えてくれた、肉体と精神の衝突から来る躍動感を味わうことは、なかった。

 

おすすめ 1,2,5

 

 

二ツ星作品

★★☆☆☆

 

 

James Blake/The Colour In Anything

 

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リリースの時期が発表されてから、約一年遅れてリリースされたこの作品は、2ndで見せた歌主体の路線を押し進めた集大成的作品で、ボリュームも今までの約二倍の収録時間となっている。

歌主体となったことで彼の評価される理由たる音の並べ方や重ね方が停滞したかというと、そういうわけではなく、今までになかった新路線をうかがわせる6や7では彼の食指は未だに新しいサウンドを求めて蠢き続けていることがわかる。

ただし、散漫とした印象があり、ピアノの弾き語りや一人コーラスのアカペラに食傷気味なので、リリースを早めて、今まで通りの曲数で出して欲しかった感は否めない。

カニエが結局参加しなかったのは残念だが、Bon Iverとのコラボ曲はアルバムのハイライト。

 

おすすめ 1,4,7,11,15

 

 

 三ツ星作品

★★★☆☆

  

 

Diiv/is the is are

 

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初diivで、ファンからは「1stから進歩がない、リリース遅い」とか叩かれているのを聞いているが、初めて聞く分には申し分のない上質なインディーロックである。曲数が多くて似たような楽曲が続くため、ともすれば飽きそうだが、ややもドリーミーで、メロディー一つ一つがギターに至るまで丁寧に作られているため、始まりと終わりがない心地よい夢に浸っているような快感を享受することができる。

ジャンルとしてはニューゲイザーというシューゲイザーの後続の分類がなされているようだが、そこらへんは詳しくないので、類似バンドを含め、色々と教えてもらいたい。いそうでいない、初心者にフレンドリーなインディーロックなんだよな...

 

おすすめ 似た曲ばかりなのでなんとなく聞き流すのが◯、強いて言うなら13

 

 

Kula Shaker/K 2.0

 

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Stingと逆パターンでリードトラックの「Infinite Sun」を聞いた時、「うわっ、勝負曲が既にスルメやん!」とがっかりしてしまったが、いざ聞いてみると結構悪くない。

考えたらデビューの時点で「Hey Dude」以外はグイグイ引っ張る曲はあまりなかったし。

タイトルで少し損をしているところはあるが、クリスピアン王子の健在ぶりがはっきりわかるし、買いたいな〜とストリーミングで聞きながら思っていたらTwitterのフォロワーから貰えることになった。やったね!!

スルメ盤なのは間違いないが、二三回で早くもダシが染みてくるから、高速スルメ盤としておこう(笑)

 

おすすめ 1,2,4,5(実はあんまり聞き込んでないので曲覚えてないです、ごめんなさい)

 

 

Sting/57th&9th

 

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久々のロックアルバムとなった本作は、リードトラックであり、冒頭を飾る「I can't stop thinking about you」を聞く限り、ポリス風味の作風になるかと思われたがやはりいつものStingであり、全体的に渋みのある曲が並んでいる。

ただ、いつもは宝石のように一曲一曲がぎっしり詰まった珠玉の名曲が並んでいるが、今回は荒削りな印象がある。

単にロックの感覚を忘れていたからと決めつけるのは早計で、非常に短期間でレコーディングされた本作は今年亡くなった多くのロックスターやこの数年でますます悪化している世界情勢に対するレスポンスであり、特に前者に関しては思ったことを作品にし、パッケージ化して世に出すまでの期間はわずかに半年という計算になる。完成度より考えの発信が優先されているのは想像に難くない。

世界中で大ヒット曲を書き上げ、自らもロック界のレジェンドとなった人間が、ロックスターは死なないと思っていたと歌い上げる「50,000」は、このうえなく2016年らしいアンセムであり、アラビア語で「神が望むなら」という意味の「Inshallah」では難民の行く末を案じ、一方でダーイシュに殺害されたジャーナリストへの追悼歌「The empty chair」を並べ、イスラムフォビアに満ちた欧米の風潮を牽制するかのような曲順には感無量である。

 

おすすめ 1,2,3,5,9,10

 

 

福間創/ambi-valance2,3

 

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福間創氏が去年から始めたambi-valanceシリーズでは、「癒し」とか「ヒーリングミュージック」とか上っ面をなぞっただけの音楽に反発して、陰も陽も含めた自然と電子音の融合を果たしており、ambivalentでimbalanceでambientな音楽を発表している。いかにも人工的なシークエンス、近所で録音したという井戸の水の響き、透明感のあるnordの和音、3で参加した小西健司のインダストリアルなノイズ、美醜の入り混じった音像が組み合わさることで、広義的な「自然」をある意味では抽象的に、ある意味では写実的に表現している傑作。ライブのノイズアレンジもまた何かの機会で発表してほしい。

 

EPなのでおすすめするほど曲数ない!!

 

 

四ツ星

★★★★☆

 

 

 

Anderson/Stolt / Invention Of Knowledge

 

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言わずと知れたYesのvocalとして長年フロントマンを務めてきたJon Andersonと北欧のプログレバンド、Flower Kingsを率いるギタリストRoine Stoltがメールを通じて作り上げた本作は、Andersonのスピリチュアルな世界観をStoltの豪華絢爛なバンドサウンドで支えている、シガーロス並みに多幸感溢れる大作集となった。

タイミングとしてはJonの盟友Chris Squireを喪った前後から創作は始まっており、本来なら悲しみに溢れた曲が生まれてもおかしくはないのだが、ここでは才能あふれるコラボレーターと作品を作れた喜びがとめどなく湧き出している。知識を分かち合い、高みに至ろうとする神秘主義的な歌詞やメンバーによるライナーノーツを読むとなにやら宗教臭い雰囲気もするが、失うものもあれば新たに手に入れるものもある人生を謳歌している70を越した一人の人間のエネルギーを感じ取れたら、ファンとしてはとても幸福である。高音にも衰えがなく、パッと聞いた感じでは50年前とまったく変わらないJonには驚き。来年はこのアルバムのメンバーでツアーも考えているようなのでうっすら期待。(ここまで読めばわかるけどFrower Kingsは聞いてないし、ぶっちゃけあんまりタイプでもないけど、このアルバムのギターソロは好きです)

一つ言うと、昔のようなスリリングな曲展開ではなく、たゆたう大河のような曲構成なので、全盛期の復活みたいなキャッチコピーに釣られて買うとやや拍子抜け。けど悪くはないぞ!!

おすすめしようにも曲が長すぎる。

 

 

Dizzy Mizz Lizzy/Forward In Reverse

 

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デンマークのスリーピースバンドによる20年ぶりの新作。

継続的な再々結成の発表と新曲を発表した時にその曲のクオリティーから期待度はいやがうえにも高まっていたが、余裕でそのハードルを乗り越えたことには驚嘆するしかない。

久々の新譜に有り勝ちな丸くなったけど聞き込めば味わい深いとかそういう陥穽に陥ることもなく、捨て曲なし、リフはかっこいいしメロディーは冴え渡ってるし、模範的としかいいようがないロックアルバム。一曲目がメタルのインストだったことには意表を突かれたが、いい意味で意外性があってアルバム全体のスパイスになっている。最後の曲はめちゃくちゃ泣けるし、再結成二作目は一体どんな風に攻めてくるのか今から既にワクワクしてしまう。

ロックバンドが好きな人は一回聞いてみてほしい

 

オススメ 2,3,4(前の曲から間髪を入れずに始まるのが悶絶もの),5,6,7,11,12

 

 

Frank Ocean/blond(e)

 

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これもあんまり聞き込んでいないうえ、歌詞もちゃんと読んでおらず、界隈事情について無知であるがゆえ、あんまり滅多なことは言えないが、あるサイトで見た「金をかけたデモテープ」という説明が一番適切だと思う。決して批判の意味で使っているのではない。日常にダイレクトで接している創作現場を含めて作品にすることで、R&Bにおけるフォーク的方法論を提示してみたというところで、この作品は高く評価されるべきだと思う。様々なリリース方法や時折挟み込まれるアイフォンで撮られたプライベートな話の断片など、決して前衛的であろうとすることなく、新たな音楽のあり方を模索しているスタンスは、ロックが失いつつあるものである。ポピュラーミュージックで一番アツいのは間違いなく、ここ。

 

おすすめ 1,2,5(聞き込んでいない...)

 

 

Megadeth/Dystopia

 

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Megadethでござい。近年の作品は高評価が続いているので、ストリーミングで聞いてみたところ、これがいい。

簡単に言えば漢臭いストレートなメタルだが、ところどころ変化球を入れて飽きさせないようにしている、例えばソロのバックのリフがややハードロック的なものに途中で変わったり、クラシックギターで緩急つけたり。一辺倒ではない程度に王道のかっこよさを貫いているので、メタルに疎い人間も気に入るかもしれない。何よりもムステインのボーカルが昔と違って渋みとドスが効いてカッケー!!

炎上しがちな歌詞もまた機会があれば読もうと思います。

しかしかっこいいな..,

 

おすすめ 1,2,4,6,9,11

 

 

METAFIVE/META&METAHALF

 

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一緒にステージに立つというだけでインフレ崩壊している高橋幸宏の一夜限りのバックバンドがそのまま勢いで曲作ってツアーしてしまったという夢のようなオチが付いた。

デビューアルバムがたまたま攻殻機動隊にメンバーの小山田圭吾が絡んでいたのでバンドで提供しようかとなった一曲を起点としてうっかり完成したのなら、EPもライブ映像のおまけに一二曲のはずが五曲できてしまったという、仕事出来すぎ!!

そんなわけでサウンドは、全員の要素がうまいこと融合した、新旧テクノの洗練されたベストテイクである。作曲方式は、誰かが作ったデモをメールで全員のところを一二巡して、それぞれ手を加えるなり必要を感じなかったら次に回し、最後に原作者が決定版のオケに仕上げる、という極めて効率的なスタイルで、全員でスタジオでせーのとしないでも傑作は作れるという興味深いものとなっている。そもそもがバンドの人間関係に疲れた人たちが集まってるので個人のエゴがないのである。

大体スーパーバンドは喧嘩別れに終わるが、この6人はみんなして仲良くラジオ出たり飲みに行ったり、大人なコンセプトは創作外でもちゃんと実行されているようで、今年のツアーで一段落と言っているが、また集まって欲しい。ユキヒロさんも自身の年齢と相次ぐ訃報でタイムリミットに敏感になってる分、これは老後のライフワークに...

 

おすすめ METAHALFの五曲をとりあえず聞いて欲しい。

 

 

RADWIMPS/君の名は。

 

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 当初、RADWIMPSが主題歌を担当すると聞いた時は「マジかよ、新海の耽美性が薄まるなぁ」とあんまり嬉しくなかったが、蓋を開けるとこれが作品にドンピシャで、ラッドありきの作品という監督の評も良く分かった。今までは20代以上が作品の対象範囲だったが、高校生あたりをターゲットにした結果、その多感な、心の震えるほどの感動をちゃんと表現できる人間として起用したというか、むしろ監督自身の少年の心がラッドを聞いてその中に同じイノセントを見つけて、この作品を生み出したというような、逆説的な貢献をしているように思える。

本編では話の流れを遮る、もはやPVのような演出をしているため、映画通には嫌われそうな感もなくはないが、無邪気なまでのラッドへの監督の愛着を思うとむしろこういう在り方が一番自然だったのかもしれない。

スパークルは映像を見てから聞くと鳥肌モノ。

また、劇伴も全部彼らが手掛けているのだが、映画音楽の経験のない分、久石譲を明らかに意識してるようなところもあって笑える一方、根底で監督の求めてるものを分かっているため、的確さでいうとなかなか侮れない。

 

おすすめ?映画を見ろ!!

 

 

Suede/Night Thoughts

 

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80年代、90年代万歳!!な、傑作を作るには決して新しい音を鳴らす必要がないということを教えてくれる一枚。全曲が繋がった一枚の絵巻物というコンセプトからして既にプログレ的であり、曲を進むにつれて沈んでいくような耽美な世界観は今時流行らない大御所のV系がやってきた(某月海とか)路線を突っ走っていて、潔い。

何もサウンドの進化だけが全てじゃない。「深」化も絶対的評価では同じぐらい重要だ。そんな当たり前のことを改めて気づかせてくれるsuedeは今後追っかけていこうかと。

 

おすすめ 1,2,3,6,9

 

 

 鷺巣詩郎伊福部昭/シン・ゴジラ音楽集

 

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個人的には年間ベストと言ってもいいぐらいの傑作シンゴジラの音楽は、エヴァの音楽も担当した鷺巣詩郎と初代ゴジラから支えてきた伊福部昭の名曲選という形になり、エヴァの神々しさや禍々しさを発展させた、新しいゴジラ像に寄り添った、恐ろしいゴジラ音楽というものが完成するに至った。そこにところどころ伊福部作品が挿入されることでいい感じに中和がされている。

詳細は避けるが、一番の白熱のシーンがレクイエムという音楽の演出は反則級。

そしてティンパニーのリズムには爆笑。

そして無人新幹線爆弾のテーマはガッツポーズ。

君の名は。も然り、サントラを聞くだけでこんなに感情が揺さぶられるとは思っていなかった。

 

おすすめ?映画をry

 

 

五ツ星

★★★★★

 

Iggy Pop/Post Pop Depression

 

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Bowieの訃報で入れ替わるように湧き上がってきたIggyの新譜の報。

ラストアルバムと宣言するだけあって、気迫がそこらへんのアルバムとは違う。決して勢いのある楽曲が入っているわけではないし、歌もバリトンを活かしたクールな歌い方だが、彼が何を見てきて、何を考え、何を表現しているのか、そういったものが渦巻いており、決して聞き流せるような瞬間はない。

ジョシュオム(最近はホーミと呼ぶのですな)が主体となって作り上げたサウンドはガレージロックかくあるべしという、非の打ちどころのない、こじんまりとしているが聞き応えのあるもので、Iggyを一切知らない人間でも楽しめることは間違いない。

 

おすすめ 2,3,5,7,10

 

 

King Crimson/Live In Toronto

 

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結局おまえかい!!というのはやまやまですが、やっぱり自分の大好きなバンドが新たな全盛期に入っているというのが嬉しくないはずがないのでこれは満点をあげるしかないのだ。

聞かないと分からないので聞くしかないので、聞いて。

おすすめ、聞いて。

 

 

 

 

はい、こんな感じでした。

今年聞いたアルバムで更に言及するのならZABADAKの「遠い音楽」と「桜」を語りたいのだけれども、いかんせん長過ぎるのでまたの機会に。

映画もやりたかったけど、今年中には間に合いそうにもないので年明けからします。

レビューや旅記事も溜まってるし、春休みはその消化ですな。。。

 

 

さて、今年はどんな年だったでしょうか。

訃報が相次ぎ、喪失の年であった一方で、シンゴジラ君の名は。のような化け物が出てきて、まだまだ伝説が生まれそうなわくわくもあり、しかし世界では再びブロック体制が築かれようとしていて、という波乱に満ちた社会でしたね。

個人的にはずっと体調を崩しがちで、勉強も読書もあんまり身が入らなかったので悔やむことばかりです。

来年はもう少し元気にやりたいけど、やっぱり無理そうかな...

今年を生きて終えようとしていることがまず驚きだ。

 

来年は真面目に生きたいです。