サマソニがまだ2日目の途中で、東京の人間がトムの盆踊りや昭和50年のラブミーおじさんやらを心待ちにしている最中に、こんな水を差すような話を書くのに違和感を感じないわけはないんですが、このままだと第一回フジロック、長渕剛の富士山麓ライブに続いて今後のサマーソニック大阪が伝説(笑)のロックフェスになりかねないとも思うグダグダ運営でしたので、時すでに遅しと言えども、ここは1つネガティブな音楽ブログを書かせてもらいます。
2016年のサマソニ大阪のここがダメ!!
①ステージ配置
これは1ヶ月前から散々指摘されていたことだが、ステージの配置がとにかくおかしい。なんでもオリックスが練習拠点にするべく土地を買い上げたようで、それは仕方はないし、客寄せにメインステージを一番奥に配置するのは良しとしよう。
しかしね、オーシャンステージが南側からしか入れないとか地図から読み取れるはずないじゃん?
上記のリンクより大阪会場の地図が見れるが、
この区割りでオーシャンステージを北回りルートで目指すことに疑問を抱く人はいないだろう。
朝イチの時点ではフォレストステージの近くのY字路にある看板には、何故かオーシャンステージに行く道だけが表記されておらず、相当の人間が北側からオーシャンステージに入ろうとをしては引き返すという事態になっていた。
自分も「なぜ最初のアクトが始まってないのに引き返す人が多いのだ」と不審がって何度か地図を見直してはみたものの、オーシャンに行こうとする人の流れがあるのだからこの道で間違ってないはず!!と思って直進したら間違えていたクチ。
その後、必死に来た道を引き返して南側からオーシャンステージに無事たどり着き、nothing but thievesの圧巻の演奏と歌唱をなんとか見ることに成功する。
それからMETAFIVEを見るために再び問題のY字路のすぐそこのフォレストステージまで走っていると、先ほどはオーシャンステージへの誤爆の要因となっていた看板の中に、1枚だけペラペラの紙に印刷された「オーシャンステージはこっち」という急造の案内が追加されていた。
何故メインステージの誘導を当日になって慌てて作るのか。
また、その出入り口が他のステージの出入り口と同じ幅の一箇所だけというのも相当なアンバランス。確かに誘導側としては楽だが、混雑を避けるためにも二箇所で誘導できなかったのだろうか。
②熱中症対策
これは辛かった。例年大阪は異様な暑さに包まれるが、今年は特に何故死人が出なかったのかいまいち分からないレベル。
劣化内容や東京より酷い点を挙げると、
・水を散布する扇風機がなくなった
・ソニックステージぐらいしか涼める居場所がない
・オーシャンのトリが終わったら飲み物がすでに売り切れている
辺りか。
特に水撒き扇風機とライブ後に飲み物が売られていないというのは人によっては死活問題だ。トリのRadioheadのために最前近くで待機し、熱中症すれすれの状態で帰ってきたらミネラルウォーターは悉く完売。流石に水だけでも余分に調達できなかったものか。
あと、注意書きには「野外ステージのブロック内及び屋内ステージへは、「水」のペットボトルのみ持込可能となります。」と書いてあるが、ポカリの売店を大々的に出しといて何を言ってるんだ。水分だけでなく塩分も摂取しないと熱中症対策にならないのは常識だろうに。
③サービスの質
簡単に言えばトイレ。
「お昼からビールはいかかがですか〜?」とめちゃくちゃパリピの店員が売り込んでくるけれども、オーシャンステージのトイレは男性用が8個(2日目は11個に増やしたらしいです。それでも11個...女性用はさすがに倍はあった)である。
想像もしてください。どこかの野球ドーム内にあるトイレが、全て足してもデパートのワンフロア分のキャパしかなく、しかもそれ以外の最寄りのトイレは20分は歩かないとたどり着けないし、そこも空いているという保証はない...
てなわけで男性トイレに長蛇の列、という異様な光景がずっと繰り広げられていたのであった。
このままでは最悪海で用を足す人間が出てもなにもおかしくない。
④アクセス
これが今年のサマソニ大阪の最悪の結果を生んでしまった要因。
関西圏にいない人が読むことを想定して説明すると、舞洲というのは大阪港の埋め立て地で、電車が通っていません。
ということで最寄り駅からのシャトルバスで行くしかないわけだが、今年は「駅の混雑を解消するために従来の2駅からの輸送をやめて1駅だけにします」という謎の宣言によって、公式側のバスは梅田などからの長距離の便以外は1駅だけからしか出ないというおかしなことになってしまった。アクセスを制限したら駅の混雑が解消するとはドウイウコトダ??
ということで僕は桜島駅から歩いて45分でリストバンド交換所に着いたんだけど、バスに乗った人に聞いたところ、バスに乗るために30分待ったということで、明らかに徒歩の方が早かった。
自分が以前行った2013年にはミスチルが出ていて、周りの人たちも「今年のバスの列やベーな」と話していて桜島駅から歩く人が結構いたが、今年は桜島駅からはバスが出ていなかったせいか、自分が会場まで向こう道中に、自転車に乗った2人を除き、舞洲まで車以外の手段で向かう人間はいなかった。
それでも徒歩の方が早い(念押し)。
で、ライブが終わった後にバスに乗ろうかと思ったら、「帰りのバスのチケットは売り切れました」。そして長蛇の列、時刻は11時前。レディへのサウンドチェックが押したせいで、9時が終了予定時刻であったけれども終わった時には20分押し。そして最後まで前方で見て、クローク受け取って、遠回りして激混みのコンビニで飲み物買って、と最低限の用事しか済まさずとも、バス乗り場に着く頃には余裕でこの時刻になる。そもそも日中の混み具合でさえも、オーシャンステージからバス乗り場まで一直線で歩いても30分はかかる。その時点で長蛇の列だったので若干嫌な感じがした。
バッドルートを無事に回避できたので今では笑い事だが、チケットが余ってたりしたら間違いなく終電には間に合ってなかった。
で、僕の帰り方は
タクシー乗り場に行く→こっちも行列で乗るのに相当な時間がかかりそうなのでパス→歩いて桜島まで帰るしかない→途中でタクシー乗り場に向かっていたであろう空車が通りかかったのでダメ元で手を挙げる→タクシー止まる→桜島で終電一本前に乗る
というあまり褒められた帰り方ではなかったが、自分が無事に帰ることへの執着心が、真面目にタクシー乗り場に並んでいた人たちへの罪悪感に打ち勝っていた。とにかく帰ることで頭がいっぱいだった人は自分だけではないはずだ。
その一方でバスに並んでいた人は
往復チケット買っていたのにシャトルバスが終了する→市バスのおっちゃんが必死に臨時便掻き集めて乗せられるだけ乗せる→他の人間結局帰られずブチ切れor絶望→運営がタクシー代を後で建て替えるということでどんどん乗せる
というとんでも対応を被ることとなったのである。
そもそも途中でシャトルバスを見限ってタクシー乗った人はどうするんだ、手持ちの金ない人どうするの、明日も朝から来る人寝る時間ないじゃん、と無限に疑問は湧くし、ミッドナイトソニックがあるかのような混雑具合を夜中の舞洲で再現してどうする。
簡単に言えば「生き残ることが目標」と言える夏フェスとなったことによって、サマソニ大阪の株は絶賛失落中である。
これを公式が読むことはまあないと思うが、もし読んでいる人がいたなら、さすがに1万人以上の観客に対してトイレを1桁だけしか用意しないような計画案が通った理由をしっかり分析してほしい。
繰り返し述べるが僕自身はがっつりエンジョイしてこの上なく楽しいフェスだったが、今後もこんな風に人が死にかねないような運営をするなら行く気はないし、行きたくなるバンドが出ても東京に行く。
何も状況を把握してないまま怒号を受けていたらしい整理員の方々も可哀想だし、色んな人が泣き寝入りしている状態じゃ、楽しみようにもどうにも後味が悪い。
来年にはしっかり改善されていることを祈ります。
追記
オーシャンステージの北側はプラチナチケットの専用の出入り口になっていた模様。この点についてはごめんなさい。(ただし道中標識がなかった件についてはおいおい…)
やっぱりなかったようです、指摘を受けて修正しました。
そしてマウンテンステージではスタジアムを半分ぐらいしか活用してなかったという声も。全面解放してもオーシャンにはギリギリ狭い…のか。。。
また、二日目の終演後のツイッターをざっと見た感じ、今日はシャトルバスの当日券を大幅に減らしたためにかなりスムーズに誘導がされたよう。この一日で対処できる最善の方法としてはこれが一番なんでしょうね。
後、1番の問題点と個人的に思ってた、日曜に開催されたcomic city(関西版コミケみたいなイベント)の会場の最寄り駅が、サマソニのシャトルバスが出るコスモスクエア駅であったことによる混雑は、乗換駅が入場規制になるなどの一幕はあったものの、特に問題なく終わったらしい。被害は主に初日に偏ったようですね…